桐沢です。
先日Twitter上でこんな問題を出しました!
いきなりですがドラマーの皆様に問題です‼️
このBring it Homeが出て来たらどんな演奏をしなくてはいけないか?
正解した方にはマジでシンバル1枚差し上げましょう!
ロサンゼルスまで取りに来てね😜
拡散してくれたら面白いw pic.twitter.com/GV413gqtDv— Satoshi Kirisawa (@KirisawaSatoshi) January 29, 2023
軽い気持ちで投下したのですが、反応がかなり多く非常に僕も楽しめました。みなさん本当にありがとう。
まず、簡単に僕の職業なんですが、今年で17年目プロとして🇺🇸ロサンゼルスで活動しています。
かなり日本と音楽環境が違いましてドラムのプロ!と聞くと
『バンドのドラマーで女の子にキャーキャー言われる仕事』in USA
な事を想像するかもしれませんが、実は全く違う世界観の中で現場をこなし、生計を立てています。
よってライブハウスで演奏するということより、
ミュージカルの劇場、ジャスクラブ、スタジオ、カジノ、パーティ、様々なアメリカのイベント(戦争関係、政治関係、クリスマスなどの季節仕事)ダンスホール
など日本人には似つかわしくない場所で、呼ばれればどこへでも行き、演奏してお金を稼ぐという日常。
日本の皆さんにカッコつけて自分の職業をいうとしたらフリーランスの『セッション・ドラマー』になるのかな?
でもここロサンゼルスの中だと、ただの労働者階級ミュージシャン。
通称『ワーキング・クラス』や『ブルーカラー』
アメリカでフリーランスとしてドラムを演奏しています。
ということでアートストではありません。完全なる仕事マンです。でもアーチストに憧れはあります。
アメリカでの僕のプロフィールはこちら
ちなみにこの記事の一番上の写真のドラマーは私めです。
で、これぐらいにしておいて、今回の問題の正解発表します。
ヒントを落とした後、非常に近い答えがいくつか見受けられました! 一人を選べないので、今回コメントをくれた全員の中で(合ってなくても)一番先にロサンゼルスに来た方にシンバルか何かをプレゼントする。
こんなんで良いかい?
まず問題はこの譜面に書いてある『Bring it home』でドラマーはどんな演奏をしなくてはいけないか?
まず断っておきますが、こういった譜面上での指示?は正式な音楽用語ではないので学校とかでは習うことはありません。しかも地域(違う州とかね)とかアレンジャーによって様々な書き方をします。
ですので、僕がこれまで何百回としたショーの現場での最適解?が今回の正解になります。
正解はこの写真の女性たちと同じ動きをドラムセットでします。
もちろんドラマーとして足を上げてもセクシーでもなんでもないですが
こんな事になるなんて思ってもいなかったから、自分の参考動画など用意してなかった、すません
この足上げはいわゆるバックビートの位置です。2と4ね。
- 女性が右足を上げたら、ドラマーも右手で右側のクラッシュシンバル、左手はスネアのバックビート。
- 女性が左足を上げたら、ドラマーも左手で左側のクラッシュシンバル、右手はスネアのバックビート。
他のバンドメンバーも同じような動きをそれそれの楽器でします。
まあ振り付けのようなものかな?
ステージに上がっている全員が同じ右左の動きを一体感というかシンクロさせ、ショーのクライマックス感を出します。
この足を上げている女性といかに同じ匂いというか雰囲気を出す! もちろん同じ笑顔で!
ほぼ同じような指示で『ラスベガス・フィール』ってのもあります。
通称『ベガシー』
ラスベガスは言わずと知れたアメリカ屈指のエンタメの街。
その街のフィールがあります。
これはショーでは欠かせない事で、ドラマーの我々が主導権を握ります。(責任ね)
これも言葉で説明しなくてはいけないんだけど、
例えばちょっと早いジャズダンスの曲があったとし、その曲の最後でいきなりテンポが半分になり、クライマックスである女性ダンサーたちが先程の足上げダンスにつながる。
このテンポを半分にするのがドラマーの役割。
譜面を言葉で表すと早い曲から2拍3連をスネアとフロアタムで、
半分感を出す 『ドドド ドドド ドドド ドドド』で ドンパーン(足上げ) ドンパーン(足上げ)に変えていくのが我々ドラマーの仕事です。
僕が今までやってきて掴んだコツは、正確にテンポを半分に落とすのではなく、
半分よりももう少し遅くっていうのが今の所では現場からは求められているって感じです。半分の10%ダウンくらいかな?
半分よりもブレーキ感が出る。
今回の問題の答えはこんな感じ。 イメージつくかな? 実際に映画とかで見た事がなければ難しいかも。
なかなか日本からは見えないドラムの役割で、こんな角度からフィールやリズムの使い道を探るのも面白い!
ジョークを拾うのもドラマーの仕事
最後に僕がアメリカで一番苦労した仕事の話。
ネバダ州とアリゾナ州の間に大河コロラド・リバーが流れています。そのネバダ側にラフリンという街があり、ここは『リトル・ラスベガス』と言われています。
なんか昭和な感じのカジノ街。逆にラスベガスほど最新の煌びやかさがないため、キャンキャンしないギャンブル好きには人気な街。
7年前くらいかな、そこで10日間くらいコメディアンとのショー仕事が入りました。
ここでもまたドラマーである我々は責任を負わされます。それは
『ジョークのツッコミを速攻ドラムでする』
意味わかんないですよね? はい、これが僕が一番苦労した仕事の一つです。
バックグラウンドは分かりませんが、大まかな流れはコメディアンがボケたら、ツッコミをドラムセットで速攻する。
『なんでやねん』をドラムでする。
言葉にすると『ババン チー』みたいな感じ
これがその時の仕事の時の写真。大体のショー仕事やミュージカルの時の裏側はこんな感じ。
譜面台には音楽の譜面とは別に左側と下にコメディの台本を貼り付けています。
この時期は🇺🇸トランプ元大統領が立候補しているような時期で、彼について色々言い会場を盛り上げるような流れ。当たり前ですが全て英語、、、。
これがね、日本人の僕には理解不能だったんだよね。まず何が’面白いかわからない。
しかもお客さんが笑うと同時かすこし前くらいに『なんでやねん』をしなくてはいけない。
だからこそ、台本をコピーしてもらい、面白いとか面白くないに関係なく、機械的?に『なんでやねん』をしていましが、
10日間のショーでコメディアンが一字一句変わらない同じジョークを言うわけもなく、僕は二日目くらいから80%くらいの確率で死亡。
コメディアンは死亡している僕をさらにジョークにし、会場はバカうけ。。。
と言うなんとも過酷な現場でした。
他にもストリッパーと二人で大勢のお客さんの前に出されたこともあります。
アメリカで日本人ミュージシャンをやっているだけで、一生のネタに困る事はありませんな。
Twitterでも僕の気まぐれに付き合ってくれてありがとう。
もしよかったら他の記事も読んでみてね!
おっとそういや過去に違うショーに乗った時の裏側を動画にしています。真ん中後くらいに少しだけ『ベガシー』やっていますね。
でも途中大きな間違いをし、なんとか誤魔化す姿が今見てもヒヤヒヤします。。
でもって最後にこのショーのギャラも公開してますw
ほいじゃ 2023/01/30 ロサンゼル
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