音楽のプロになるには

はい桐沢です!
 
非常にラッキーな事に僕はアメリカでプロのドラマーとして13年間、活動してくることができました。
 
その経験を基にYoutubeを始めたのですが、最初の頃は色々な批判を頂くことも、。
 
その中に「馬鹿テクドラムを見せてもらえないとプロとは信用できん」とのコメント
 
当時も今と変わらず僕のYouTubeの副題は「リズムお喋り一本勝負」
 
なぜ僕がYouTubeでドラムでリズムに関する事を説明しないか?
 
そこからプロとは一体何をもってプロなのか? 
 
そんなブログを書いてみました。

個人主義

「馬鹿テクドラムを見せてもらえないとプロとは信用できん」
と僕に言ってきた方は
 
「ドラムの超絶テクニックがないと音楽の世界ではプロになれない」と考えていると思います。
 
それは間違っていなくもないのですが、それだけではないというのが本当の所。
 
日本に限らず音楽の中での楽器演奏の文化として「個人主義」というものがあります。
 
楽器演奏の1人の天才がいて、そこを目指す。
 
これは完全に西洋の考えで一部のスーパースターがいて人が後に続く 
バッハ
ショパン
ベートーヴェン
などクラシック音楽に疎い僕でもいくつか名前をあげることができます。

チームスポーツ

一方僕が仕事をしているアメリカの音楽の現場では
 
「アンサンブル優先」
 
ウイントン・マリサラスのインタビューではこの「アンサンブル優先」を短い言葉で
 
「私ではなく私たち」とバンドの在り方を語っています。
 
全員で同じ物を作り上げて提供する。けして個人プレーではない
 
僕は残念ながらLAのトップクラスのドラマーではなく、ヒエラルキーで言うと上から2番目の「職業音楽家」に分類されます。 
 
英語で言うと
「Working Class Musician」
 
この「Working Class Musician」の中で言われるのが
 
「バンドはチームスポーツであって個人競技ではない」
 
音楽を生業にしている僕らはこの考えで常に音楽を演奏しています。
 
そんなブログも書いています。
 
「ビジネスから考えるグルーヴ」
 
僕が13年やってきたアメリカの音楽ビジネスの中で求められるのは「アンサンブル優先」である事は間違いありません。

集団主義の考え方

僕らが憧れる黒人音楽はこの様な考えが元になっていると思います。
 
僕が魅了され続けているこの最強のリズムの民「ピグミー族」
 

ピグミー族のリズムのアンサンブルは本当に素晴らしいです。
 
知っている方であればこの動画からアフリカンコンセプトをバキバキに感じることができます。
 
アフリカンコンセプトとは?
 
ピグミー族は歌と踊りの名手として古代エジプト王朝の記録にも残っている狩猟採集民です。
狩猟採集民とは
 
動植物の狩猟採集によって生活する諸民族。 狩猟採集の経済形態は牧畜や農耕に先立つ最古の経済段階である。 今日でも熱帯の密林や大陸の縁辺部などにごく小さな集団を形成し,狩猟採集によって生活している民族があり,居住形態により,遊動的狩猟採集民と定着的もしくは半定住の狩猟採集民に分類される。
ベストセラーのこの本で狩猟採集民についてこんな事が書いてありました。
 
狩猟採集民の女性は子供をもうける時にそのグループの様々な男性と交わります。
 
その相手は「狩の名手」「歌の名手」「踊りの名手」「心優しい人」「強靭な肉体を持っている人」など
 
よって生まれてくる子供はこれらの遺伝子が全て混ざった「最強ベイビー」になり母親も誰が父親かわかりません。父親も自分のかどうか不明。
 
よってそのグループ全体の子供となり、グループで育てる。
 
ここから集団主義の考えになったと。
 
今の僕らの考えでは理解できませんが、一つの精子と卵子から一人の人間が誕生するという事が分かったのは人類の歴史の中ではここ最近の事だそうです。
 
ここから黒人音楽の集団主義の考え方に通じる物を僕は感じます。
 
この本、ミュージシャンの僕もとても興味深く読めました。上下巻の上巻だけでもとんでもない話です。

プロとは

プロというからにはお金を稼げる演奏をしなくてはいけません。そこには演奏技術というスキルはもちろん必要ですが、
 
お金を払ってくれるクライアントを満足させる演奏は僕らミュージシャンの演奏技術の先にある物とは言い切れません。
 
お金にするというのは当たり前の事ですがビジネスですが、それを実際に行うのは簡単ではありません。
 
ビジネス相手が音楽に何を求めているか?
 
それをウイントン・マリサラスの言葉を借りると
 
私ではなく私たち
 
個人の技術ではなく集団主義というアンサンブル
 
もちろん世界一楽器の演奏がうまければ個人として稼ぐ事ができると思います。
 
しかしそれだけではない音楽の中での「プロフェッショナル」
 
バンドという集団でどうやったら「アンサンブル」で一つになれるのか?
 
そのためには個人として何ができるのか?
 
この思考を禅問答の様に繰り返し、実験してクライアントに満足してもらい、お金に変えていくのがプロであって
 
けして楽器の演奏テクニックの先にあるものだけが音楽のプロではないんです。
 
そんな話が盛り沢山なプライベートのオンラインレッスンをしています!
 
興味のある方はこちらに案内があります!
 
桐沢でした!

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