テンポキープってどうすんのよ?

はい桐沢です!
 
ドラマーの悩みで一番多いのが「テンポキープ」とも言えそうですが、ドラマーだけでなくても
 
「テンポが走ってしまう」「テンポが遅くなってしまう」という事に不安を覚える人は多いのではないでしょうか?
 
僕はアメリカの音楽学校を卒業した後、何年もこの不安に苛まれました。
 
しかし今では「テンポキープが完璧になった」ではなく
 
「テンポが走ってしまう」「テンポが遅くなってしまう」という不安を抱えながら演奏する事は全くなくなりました。
 
もしかしたら結果的に走ったり、遅くなったりする事はあります。
 
しかし演奏中に「走った遅くなった」と考えながら「テンポに迷う」事の方がよっぽどテンポキープに悪影響を及ぼすのは間違いなさそうです。

解決策の選択肢

僕らは楽器を練習する時に「メトロノームを使った方がいい」と好き嫌いは別としてなんとなくな認識があります。
 
譜面とメトロノームを使いリズムをトレーニングにする
 
メトロノームと自分の出している音をピッタリ合わせることがトレーニングになる。
 
「メトロノームに合わせていればリズム感は良くなる」 はず との考えだと思います。
 
僕はこれがけして間違っているとは思いませんが、
 
問題は選択肢が「メトロノームしかない」と思い込む事
 
僕はアメリカの音楽学校を出た後も「リズムトレーニングはメトロノーム」という選択肢しか知りませんでした。

噛み合わない

アメリカの音楽学校を卒業した後、ラッキーな事に演奏する仕事にありつけたのですが、いつまで経ってもアメリカ人のバンドの中でリズムが噛み合いませんでした。

その時に探せた「リズムトレーニング」はほぼ全て試したと言っても過言ではありません。

この全てのリズムトレーニングはメトロノームを使うもの。

僕はその当時、首からメトロノームをぶら下げ、シャワーの時以外の時間はずっとメトロノームを聞いていました。

運転中も、食事を作っている時も、寝ている時も、、、。

おそらく僕は世界で10番目くらいにメトロノームを聞いていたのではないでしょうか?

しかし一向にアメリカ人のバンドでリズムが噛み合う事はありませんでした。

僕の才能がなかっただけかもしれませんが、この時はリズムとテンポの違いもわからず

テンポキープ=メトロノーム との短い計算式しか持ち合わせていませんでした。

リズム感の良し悪し

「メトロノーム、クリックとピッタリ合うことがリズム感がいい」との意見を持つ方もいます。
 
これは十分にわかります。
 
現代の商業音楽の中でメトロノーム、クリックとピッタリ合う事は必須のスキルです。
 
これが出来ないと音楽のエキスパートとはなかなか言えません。
 
この考えをもとに
「メトロノームとピッタリ合う」=リズム感がいい=だからメトロノームを使わなくてはいけない
 
となっていると思います。
 
しかしこの考えが生まれるには、まず音楽が商業である必要があり、当たり前ですがメトロノームやクリックを使った録音技術、Protoolsやlogicなども必要です。
 
この商業の中には「メトロノームとピッタリ合う」=「リズム感がいい」だけではなく、時間通りに合わせるや、編集しやすいなどの商業的な理由も含まれています。

メトロノームの誕生

メトロノームの誕生は19世紀の始めのドイツです。
 
という事はまだ200歳くらいです。
 
ここで一つの疑問が浮かびます。
「メトロノームとピッタリ合う=リズム感がいい」なのであれば
 
「それ以前は全人類がリズム感が悪かったのか?」
 
いつも紹介しているこのアフリカのピグミー族のCD
 
このCDはいわゆるフィールドレコーディングと呼ばれるものでレコーディングスタジオではなく、森の中でマイク数本で録音された物です。
 
そこにはProToolsもメトロノームもありません。しかし抜群のリズムを聞かせてくれます。
 
ピグミー族は古代エジプト王朝の記録の中にも「ナイル川の上流に住む歌と踊りの名手」と記載されているそうです。
 
古代エジプト王朝とは、みんな大好きWikipediaより
古代のエジプトに対する呼称。具体的に、どの時期を指すかについては様々な説が存在するが、この項においては紀元前3000年頃に始まった第1王朝から紀元前30年にプトレマイオス朝が共和制ローマによって滅ぼされるまでの時代を扱う。
紀元前3000年、、、、
 
という事はメトロノームの誕生のずっと前から彼らはリズムを使いこなし人を魅了していた。
 
彼らのリズム感の秘密に近づけるのはメトロノームだけなのか?
 
彼らには「メトロノームとピッタリ合う=リズム感がいい」は当てはまりません。

全てリズム

こちらもよく紹介している動画「リズムのない動きは一切ない」

歩く
木を切る
鉄を打つ
木を削る
皮をなめす
歌う
粉を引く
話す
歌う
叩く
踊る
舟を漕ぐ
この動画ではこれら全てにリズムがあると。いやタイトルの通り「リズムのない動きは一切ない」
 
there is no movement without rhythm」

リズム=音楽だけじゃない

僕らはリズムを音楽の中にだけにあるものとしてリズムに向き合い練習しています。
 
リズムをトレーニングするという事が日々の中で特別な事に。
 
しかしリズムが使われているものは音楽以外にもたくさんあり「音楽はリズムの使い道の一つにしかすぎない」となるとリズムに対して様々なアプローチができるようになります。
 
急がば回れとも言えそうですが、
 
「テンポキープ=メトロノーム」との短い計算式ではなく
 
様々な視点を持つ事で、結果的に後から生まれたメトロノームやクリックと仲良くなり
 
「テンポが走ってしまう」「テンポが遅くなってしまう」という数字の世界と楽器の演奏能力だけの関係から脱する事が出来ます。
 
まあ硬い話ではなく、様々な物と密接に関係している音楽って素晴らしくないですか?
 
音楽を楽器の話だけにしておくのはもったいないし、音楽を音楽だけの話にしておくのも、、。
 
そんなレッスン受けてくれた方が110人を超えました!
 
興味のある方はこちらに案内があります!
 
「世界に通用するリズム感をつける」
 
LAから桐沢でした!
 
 
 

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