人種差別を受けるって悪くない

はい桐沢です!
 
今日は「差別」という中々ヘビーな話題なんですが、タイトルにもあるように
 
「差別を受けるのはけして悪い経験ではない」という事を書いてみたいと思います。
 
日本にいるといわゆる「人種差別」に僕ら日本人がターゲットになる事はあまりありません。
 
まあ人種以外にも「差別」という概念は言葉を変え様々な形で存在はしています。
 
例えば「田舎者」「身体的特徴」など自分の意思とは別で出来上がっているものに対して馬鹿にするなどは完全に「差別」と言えるでしょう。
 
アメリカに日本人として14年住んでいますので、この間に僕も気付かない事も含めて色々ありました。
 
その体験は今となっては「経験」に変わり僕の人生にはプラスの効果を生み出しています。
 
正直にいうと僕が受けた差別なんてたいした事はありませんが、今思い出せる物を紹介させてください。

ピンチヒッターからの下克上

良く出す「ネズミーランド」での初めて演奏した時の話
 
ミュージシャンとしてのし上がっていく過程とも言えるのですが「ピンチヒッターからレギュラーを狙う
 
このネズミーランドでの演奏仕事が来たのはなんと前日の夜、何回か演奏をしたことのある人から「明日きて!」との連絡を受けました。
 
理由はレギュラードラマーの方が他のギャラのいい仕事に行くため、急遽ドラマーが必要との事。
 
当日は僕にはレコーディングの仕事があったため、朝にレコーディングの機材とネズミーランドで使う機材を全て愛車のプリウスに積み込み家を出ました。
 
レコーディング仕事はさくっと終わったので、すぐさまアナハイムにあるネズミーランドに向かう事に。
 
僕はこの時が初めてネズミーで演奏する機会であまり勝手を分かっていませんでした。
 
僕はピンチヒッターだったので関係者パスを持っていないので、一般のお客さんと同じ駐車場から搬入口に向かわなくてはいけないという指示でした。(多分リーダーの怠慢)
 
指示された駐車場で機材をおろし、一般客と一緒にネズミーのゲート近くの別の入り口を目指す事に。

夢の国でのアジア人

当たり前ですがそのゲートはネズミーの世界観を壊さないようにうまく隠されています。
 
勝手の分かっていない僕は、ドラムセットを積んだカートとともに挙動不審に、、。
 
すぐさま複数のセキュリティーに囲まれます。
 
ここでドラマー的な問題が発生
 
僕らドラマーは機材をセットアップするのにフルートの人より100倍は時間がかかります。
 
これは文句ではなく、そういう事なんです。
 
英語で言うと「This is what it is 」そういう事だから無条件で受け入れろという意味です。 
 
だ・もんでリーダーや他の楽器の人よりもかなり早めに現地入りする事が求められます。
 
この日も僕は誰よりも先に初めての現場のネズミーに到着していました。
 
しかし僕の許可証的なものを持っている前日に電話をくれたリーダは遅刻中、、、、。
 
という事でセキュリティーからしたら「アジアの不審者が大荷物を持って侵入」となります。
 
囲まれて、すぐさま質問責めに入ります。
「なんだこの荷物は?」
「許可証は?」
「アジアの大道芸でもやるのか?」
 
など職務とはいえかなり上からの言葉を浴びました。
 
ここでもそ僕が金髪の美少女だったら
 
不審に思ったとしても「何かお困りですか?」May I help you?系の言葉が一番最初にかけられたでしょう。
 
言葉にするとたいした事ではなさそうですが、ネズミーランドで夢を見ようとしている多くのお客さんの中で不審なアジア人の僕が大量の機材とともに尋問を受けている姿はかなりイビツでした。
 
そんな当日の僕の演奏はこちら(笑

リアルな差別

僕の差別の経験は「汚い言葉」をぶつけられるとか「アジア人!」とか高速の渋滞中に横の車から言われるくらいで、身体的な被害は今のところありません。
 
しかし僕のいるアメリカでは「人種が違う」という理由だけで殺されるという事が今も起きています。
 
皆さんの記憶にも新しいジョージ・フロイト事件をはじめ、ロドニー・キング事件など「BLM」の流れ。
 
この他にも表には中々出てこない事件は山ほどあります。
 
この歌をご存知でしょうか?
 
ビリーホリデー「奇妙な果実」

これはその時代「黒人」というだけでリンチされ殺され、木に吊るされる。
 
その吊るされた姿が「果実」に見える事からこの曲が生まれました。
 
*ちなみにこの曲は黒人の作曲ではなくユダヤ人の手によって作られました。歌詞の内容に感化されたビリーホリデーが歌い有名に

差別の歴史を知る

先ほど書いたジョージ・フロイト事件をはじめ、ロドニー・キング事件など「BLM」の流れ。
 
これらの事件は独立した事件ではなく「流れ」つながりがあるんです。
 
「人種差別」今回は「黒人」になります。
 
僕らミュージシャンは彼らの作った音楽に魅了されます。本当に心から「カッコいい」と
 
ではこの不条理な「黒人差別」の中で生まれた音楽、ここにはどのようなメッセージが込められているのでしょうか?
 
僕らはここを楽器のテクニックでしか見ようとしていません。
 
しかし彼らは「楽器」でもなく「カッコいい」を目指したわけでもなく、自分たちの置かれている立場を世界に訴えたのが音楽という手段だったのです。
 
これは短い文章では説明する事はできません。
 
なぜならばこの「黒人差別」は彼らがアフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた400年前から差別をする側の立場は色々変わっているものの、差別を受ける黒人には「差別」の姿は全く変わっていないからです。

黒人差別と音楽

僕らが日々耳にしたり演奏する音楽はアメリカで生まれた音楽の影響を少なからず受けています。
 
リズムのオンラインコミュニティー内で僕らはこの2つの本を読みました。
 
黒人差別を知るとアメリカの音楽史が見えてきます。
 
この本はシリーズではないのですが繋がっているので、先にアメリカ黒人の歴史を読み、続いてアメリカ音楽史を読むことをお勧めします。
 
この本を読むだけでも楽器のテクニックで
黒人ぽいノリ
こうすると黒人ぽくなる
少し後ろにすると黒っぽい
などの分析がいかに浅いかを痛感させられます。

一緒に読む!

なんとこれらの本をYouTubeで僕が読み合わせをしています(笑)

この読み合わせはリズムのオンラインコミュニティー向けなんですが、僕が解説するではなく、僕が知りたいからみんなの前で読むという中々面白い企画です。
 
一人で読むよりみんなで読んだ方が圧倒的に面白いです。
 
是非参考にしてください

差別を受ける経験

先ほども書きましたが、僕が受けた差別なんてたいした事はありません。
 
ナイトクラブでドラムをセッティングしていたら「あなたお手伝いさんでしょ?」とか
 
「お前がドラマーな訳ないじゃん」くらいです。
 
しかし日本にいると中々「差別」の当事者になる事はありません。
 
僕がアメリカで受けてきた「差別」的なものは「黒人差別」とは比べものにはなりませんが
 
「差別を知る」という事に意識を持っていくには十分な経験でした。
 
音楽は音楽だけで出来ていない
 
これはやはりアメリカで外国人という立場だからこそ感じれた事であるのは間違いありません。
 
いつか生まれ変わっても、また外国人という立場になりたいと思っています。
 
今日のLAはスカッとした秋晴れです。
 
皆さんも良い1日を!
 
桐沢でした!

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