はい桐沢です!
僕には人生を変えた言葉があります。
それはある方の何気ない一言だったのですが、今僕がアメリカに14年もいるキッカケになったことは間違いなさそうです。
その言葉は
『NYの空気だけ吸ってこい』
20歳の時に日本である大きな仕事にドラムとして抜擢され、その仕事で一緒だったトロンボーンの広原正典さんから言われた言葉です。
彼の何気ない一言に感化された21歳だった僕はその言葉通りにNYの『空気だけ吸いに』行きました。
この時にこの決断をしなかったら僕の人生はどうなっていたか?と考えるだけで恐怖に近い物を感じます。
クソガキの発想
まず当たり前ですが、僕は音楽の事も世界の事も何も知らないハタチそこそこのタダのクソガキでした。
たまたま抜擢された仕事である程度まとまったお金を手に入れ、その時に考えたのは
『世界一カッコいいお金の使い方をしよう』
まさにクソガキならではの発想!
そんな最中、広原さんに言われた言葉『NYの空気だけ吸ってこい』
この言葉とクソガキの発想が見事に一致し、数ヶ月後には何も目的もなくNYマンハッタンに一人で立っていました。
お金を使う
ミュージシャンの僕らが『お金を使う』となると真っ先に候補に上がるのが『楽器を買う』
僕も一応ミュージシャンの端くれなので気持ちはわかります。
しかしキツい現実ですが楽器を買った所で僕らの人生はそこまで変わりません。
美談として楽器により『人生が変わった』
と思いたい気持ちはわかりますが、後から買い足していく楽器には一番最初に手に入れた楽器ほど人生を変えるインパクトはなく、自己満足の域を超える事はありません。
その後また人生を変えてくれるであろう新しい楽器を探すループに陥ってしまいます。
人間は物質的な欲望に翻弄されやすい生き物であることは資本主義の終焉が雄弁に物語っています。
始まり
『NYの空気だけ吸ってこい』
あなたはこの言葉にどれくらいの価値を見出せますか?
物質的にはパスポートにアメリカ入国のスタンプが押される程度で『NYで空気を吸う』という言葉の周りに付随する経験以外何も得るものはありません。
僕もその当時はその後、アメリカに移住しプロドラマーになる布石になるなんて一ミリも思っていませんでした。
無理やり美談にし
この行動には価値があると心から信じていた!
と言いたい所ですが
『ドラムで稼いだ金でNYで空気を吸っている俺カッコいい!』
と当時は思っていた程度です。
しかしその数年後には実際にアメリカに移住し今でも暮らしています。
物語りにお金を使う
あなたは見えない価値のある物にどれくらいお金を使えますか?
同じ金額を使ったとして、物資的な物と見えない価値がある物には大きな差が生まれます。
それは物語
今でも僕は『NYに空気を吸いに行った』この経験から派生した物語の中にいます。
もしその時NYには行かず、楽器やその当時に流行っていた物に同じだけのお金を使っていたとしたら、僕の物語はとても短い物だったでしょう。
きっと他人を感動させるどころか、自分さえ奮い立たせる事も出来ていないと思います。
初期のアメリカでの経験をこちらでブログにしています。
『感性で音楽を聴く方法』
*このブログはある所で取り合えげていただき大きな反響をいただきました。
あなたの物語
去年の3月から始まったパンデミックで海外にいくという行為が不可能に近くなっています。
しかしこの状況もいつかは落ち着きます。
その時にあなたは物質的な事にお金を使うか、見えない価値のある物にお金を使うか
あなたの物語はどちらですか?
今から考えておく事はけして早くはありません。
『NYの空気だけ吸ってこい』
僕もこの言葉をみなさんに送りたいと思います。
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先日、広原正典さんが亡くなられました。
彼の言葉『NYの空気だけ吸ってこい』がどれだけ僕の物語に影響を与えたか、お礼を言うことが出来ていません。
この場をお借りして心からの感謝を伝えたいと思います。
本当にありがとうございました。
LAから桐沢でした!
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