音楽以外から探る黒人リズム

はい桐沢です。
 
「リズム感のいい」 という表現を聞いたときにミュージシャンであれば、黒人音楽に関係する人を思い出すことが多いと思います。
 
僕もそうでリズム感というものを利用し、様々な分野で活躍するアフリカに由来を持つ黒人ミュージシャンのみならずスポーツ業界での黒人選手の超人的なパフォーマンスにも魅了されます。
 
例えば陸上競技、バスケット、ボクシング、ダンス、楽器演奏など
 
これらの別なジャンルの中で『黒人のリズム感は素晴らしい』との認識はみなさんも『なんとなく』あると思います。
 
では僕らとの違いって一体なんなんでしょうか?
・技術の差?
・体格の違い?
・練習量の違い? 
・食べているもの違い?
 
それにこの別々のジャンルに共通して言われている『黒人のリズム』とはこのジャンルごとに全く別々な物なんでしょうか?
 
今回はそんな話をしていきたいと思います。

音楽の中での黒人リズム

音楽の世界で黒人リズムの素晴らしさを分析する時によく言われるのが、『血が違う』『文化が違う』

 

僕らミュージシャンは黒人リズムを『音楽』という物の中でしかあまり触れる機会はありません。解析方法も音楽の手法です。

そのためよく言われる『血が違う』『文化が違う』を深掘りせず、なんとか楽器奏法やテクニックを用いてこの溝を埋めようとしています。しかしいつまで経っても決定的なアイデアは出てこず、感情論になってしまい溝は深まって行くばかりです。

同じ専門分野からは革新的な新しいアイデアは出ない

美容整形外科医が書いた心理学の本

この本にはこんな一節があります
 
『もう同じ専門分野からは、革新的な新しいアイデアは出ない』
*(僕は英語版を読んだのでこのフレーズが出てこなかったり、翻訳が違う場合もあるかもしれません)
 
著者は美容整形外科医の観点から 見た目を変える事で人間の心理の変化から自信を持ち困難を乗り越えられるという心理学の本を書きました 1960年代の本ですが今でもアメリカで売れ続けているロングセラー本です。
 
心理学の世界に美容整形外科医が革新的なアイデアを持ち込んだのです。
 
ちなみにこの本は僕の『リズムと自信の関係』『自信をつける』系の動画のパクリ元です。LAで大きな仕事が決まりガクブルだった僕を救ってくれました。

アフリカンコンセプト

以前僕のこの動画を見て頂いたスポーツ関係者の方からこんなメッセージをいただきました。
 
このアフリカンコンセプトは音楽だけでの物ではないとの僕の主張に対してのやり取りの中、スポーツでアフリカに由縁を持つ選手とそうでない選手の違いについてその方は
決定的に異なるものとして、アフリカの人たちにはその背景にリズムがあったということ。これはスポーツの専門家が競技スポーツから逆算して日常的な動作の重要性を説いたとしてもなかなか見えてこないものです。まさにその道の専門外からです。
このメッセージは非常に嬉しかったです。
 
『スポーツの専門家が競技スポーツから逆算してしても見えてこない」
これを僕らの専門分野の音楽に当てはめることも出来るのではないでしょうか?
 
「音楽の専門家が音楽から逆算しても見えてこない』
 
今まで僕らがしていた『音楽からしかアプローチできないリズム」ここから脱却するヒントがありそうです。
これこそが先ほどの本に書いてある 『もう同じ専門分野からは、革新的な新しいアイデアは出ない』です。
 

研究するということ

いわゆる研究という事は、音楽業界よりスポーツ業界の方が学問として掘り下げられています。
 
運動生理学、スポーツ医学、スポーツ心理学、スポーツ社会学、スポーツ人類学、スポーツバイオメカニクス スポーツの中だけでも多岐に渡ります。
 
もし黒人選手に何か他の選手と決定的な違いがあり、ここまで多岐にわたる学問のなかで研究されているとしたら何か手がかりが見つかっていてもいいはずです。
 
しかしスポーツの中でリズムという話はそこまで学問として掘り下げられていないのかもしれません。

西洋式の分析方法

『陸上王国ケニアの真実』という番組があるんですが、なぜ中距離、長距離の種目でアフリカ・ケニア勢が上位を独占するのか? その秘密に迫る番組です。

全体的には西洋の考え方の数字というデータと、日本的の『精神論』『根性論』これらを当てはめた形で番組はできています。
 
もしこのケニアの選手の強さの秘密がこの二つだとしたら、科学の力と努力で全て解き明かしたという事になり、何か新しい黒人選手の強さの秘密の切り口が見つかったかもしれません。
 
しかしこの番組の放送からすでに8年経過しています
 
僕の調査不足かもしれませんが、西洋のデータと日本の精神論から何か有益な進展はあったのでしょうか?
 
もしかしたらここをブレイクスルーするものがリズムかも知れません。
 

ミュージシャン的 黒人リズム

黒人のリズムは人間本来の力に秘密があることは間違いないです。
 
西洋式の譜面もメトロノームも本当に素晴らしい発明品ですが、これらの発明により僕ら現代人はリズム感が良くなったのでしょうか?
 
もしそうであれば、なぜ今だにメトロノームさえ知らないアフリカの民族のリズムに魅了されるのでしょうか?
彼らは一度も西洋音楽教育を受けていません。そんな話はこちらの記事で紹介しています。

リズム感が良くならない理由はメトロノームへの(考え方)せいかも

『アフリカ』で繋がるリズム

スポーツの話に戻して
 
僕はスポーツの専門家でもなく、LAで活動するプロのドラマーです。
ではなぜ僕がスポーツの話を持ち出すのか  それは!
 
『もう同じ専門分野からは、革新的な新しいアイデアは出ない』 はい、なんどもすいません。
 
スポーツに関わる研究に、音楽みならず文化人類学の中でのリズムという視点を入れる。これは今まであまり考えてこられなかった事ではないでしょうか?
 
この文化人類学の側面を考慮しつつ仮説を立てる根拠としていつも紹介しているこの動画
 
『リズムのない動きは一切ない』

ここでは
・歩く
・歌
・踊る
・木を切る
・鉄を打つ
・米を研ぐ
・舟を漕ぐ
・楽器を演奏する
・喋る
・洗濯をする
これら全てがリズムで繋がっていて、全てアフリカの生活の中にある
 
今まで垣根があり、音楽の中だけでしか語られてこなかった『リズム』この動画では生活全てにリズムが関わっていることを僕らに教えてくれます。
 
歩くことにリズムがあるのに、『走る事にリズムがない』とは言えません。

リズムのつながり

おそらくですがスポーツ業界の中でこの『身体』の研究は十分にされていると思います。
音楽の中では西洋式の音楽のリズムというものは十分に研究されています。
 
『もう同じ専門分野からは、革新的な新しいアイデアは出ない』
・西洋式の音楽概念に文化人類学の中でのリズムという視点を入れる
・スポーツに関わる研究に音楽みならず文化人類学の中でのリズムという視点を入れる
 
これは今まであまり語られてこなかった事ではないでしょうか?
 
今では完全に別のジャンルとして出来上がってしまったスポーツ、音楽、ダンスなど、これらの中で使われているリズムには『アフリカ文化の中では同じ物として全て生活の中にある』という事実があります。
 
今まで音楽の中だけでしか研究されてこなかった『リズム』この垣根を取り払い、研究をする価値は大きくありそうです。

革新的なアイデアは異業種から!

黒人リズムを探っていくと、人間の自然なリズムになる
僕ら人類はそのリズムが生まれた場所、アフリカから誕生したのです。
 
僕らは全員、今の所人間です。僕らにはリズム感という感性が備わっているはずなんです。
それを知るには今まで別ジャンルと捉えられていた物の垣根を取り払う必要があり
 
スポーツの世界では『スポーツ』との枠を取り払い、音楽や文化人類学という新しい横のつながりで
黒人選手の強さの秘密、リズムを研究する。
 
音楽の世界では「音楽』という枠を取り払る必要があります。これは僕らミュージシャンにとっては簡単な事ではありません。
 
音楽のリズムを知るには他を知らなくてはいけない! ではなく
『リズムで様々なジャンルが繋がる』という思考になればリズムに対してさらに好奇心が湧きます。
 
今までになかった音楽とスポーツのリズムの関係を協力して探る
 
もう一度言います
『もう同じ専門分野からは、革新的な新しいアイデアは出ない』
 
革新的なアイデアは異業種から!
 
もしかしたら音楽のリズムのアイデアがスポーツ業界に革新的なアイデアを生み出せるかもしれません。
 
この記事やYouTubeをシェアしていただけると、LAで僕が飛び跳ねて喜びます!
 
 
 
 
 

シェアしてくれるとアメリカから喜びます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です