音楽とお金

はい桐沢です!

今回のブログはお金の話!

みなさん音楽とお金の話はスムーズに出来ていますか? 

最近ではマネーリテラシーなどの言葉が出てきていて、何だかミュージシャンにも関係しそう!

もちろんお金が全て音楽の質に繋がるとは思いませんが、プラス要素だったりマイナス要素である事は間違いないです。

もし音楽にまつわるお金の話がクリアーになったら、創作には良い影響を与えチームワークも向上しそうなんですが、やはり日本は『お金の話はいやらしい』となります。まあこれも文化の一つでしょう。

もっと風通りを良くし、お金の話にプラスの側面があると理解出来れば、表現者がもっといい環境で音楽に取り組めようになり、日本の音楽に限らずクリエター界隈はもっと活気付くはず!
 
今回はミュージシャンとしてお金と向き合うという事を書いてみようと思います。
 

お金の話はタブー?

何年か前に日本で『音楽家は音を奏でるものであって、お金の話はしてはいけない』とかなり強く言われた事があります。
 
これは一見美しい言葉に聞こえなくも無いですが、よく考えると音楽家という職業を自己否定し自らの立場を下げている可能性は否めません。
 
音楽への向き合い方ではなく、音楽と向き合う環境にお金は非常に大きく関係することは皆さんも想像できると思います。
 
『お金の話はできない』との話は主にお金を受け取る側、言い換えれば立場の弱い方から聞くことが多いです。
 
『先輩から誘われたから聞けない』『恩があるから聞きづらい』
 
お金に関して何か抑制されているのは、お金を受け取る側、すなわち立場のない方々。
 
この場合『次の仕事に繋ぐために謙虚にならざるを得ない』とも聞きました。
 
これは果たして謙虚なのでしょうか?

お金の話は一番最初

僕のいるロサンゼルスではミュージシャン同士で普通にお金の話が出来ます。
 
これはガメツイなどではなく、自分たち音楽家は立派な職業だとの立場をはっきりさせる為です。
 
この状況ではお金を一番最初の連絡で伝えてこない雇い主はミュージシャンから信用を得れていません。
 
今までこのような状況を何度も見てきました。そのような人の周りではどんどん良いミュージシャンが離れて行き、それに伴い音楽の質も大きく下がっています。
 

ロサンゼルスのリアルな話

West Side Storyのアレンジャー、ポール・マクドナルドBig Bandとの僕の演奏なんですが、彼はいつも一番最初のメールで、
スケジュール空いている?
お金いくらで 
時間と場所はここ
食事はないんだ 
など音楽以外の情報を必ず伝えてきます。(先日ほどのWest Side Storyも会場で譜面が渡されるだけの初見)
 
音楽以外の必要な情報を全て提示した後はこちら側の判断に任せるのです。スケジュールが空いていなければゴメン。
 
スケジュールとお金に問題がなければ、引き受け全力でその仕事に取り組む。
 
ギャラが安かろうがここから先は文句を言いません。なぜなら金額に納得したのだから不安もありません
 
これでしっかりと音楽に向き合えます。
 
ポールのように最初から幾らであろうとお金の話をしてくるリーダーがいるバンドには良い空気が流れています。
 
そして良いミュージシャンが必ず集まっていて、クライアントからの信頼もあり常に仕事が彼のもとに集まってきます。

信頼=お金?

あるシンガーはこちらのスケジュールが空いていることを確認しない限りギャラを言ってこないか、当日まで伝えない。時には封筒を開けるまでわからない。
 
これで安かった場合はどうなるでしょう?
 
先ほどのポールの仕事と値段がそこまで違うという訳でもないんですが
 
『お金の話ができる=信頼に直結』
 
これは間違いないです。
 
伝えてこない現場は100%と言っていいくらい『これ幾らなの?』ってミュージシャン同士で機材搬入時の駐車場で話しています。
 
その『これ幾らなの?』の気持ちのままステージに上がり演奏をする。
 
もちろんこれでは良いミュージシャンが集まるわけもなく、クライアントからの信用を失って行き仕事も少なくなって行くのが見えます。

仕事としての音楽

ロサンゼルスは言わずと知れたエンターテイメントの街ハリウッドがあります。

僕はラッキーな事にアメリカを代表するシンプソンズというアニメの総監督とバンドをやっています。 
 
彼はスーザフォン奏者で一緒にニューオリンズ・スタイルの音楽をやっています。
 
当たり前ですが彼はシンプソンズの総監督なんで金持ちです。(写真は僕のシンバルバックに書かれた彼のサイン)
 
シンプソンズが大ヒットを続けているから彼はお金持ちなのは当たり前ですが、スタッフ全てがお金も心配しなくていい環境だから作品作りにとことん打ち込める。
 
これは僕ら日本人の美徳「苦労した先に結果が生まれる」との暗黙の空気感とは大きく違い
 
余計な心配がないからより良いアイデアを作品に落とし込む事ができる
 
スターウォーズも同じ
 
お金は全て解決しませんが
 
・お金の問題を抱えたまま作品作成の中で努力する
 
・お金の問題はなく作品作成の中で努力できる
 
どちらが良いとは言えませんが、音楽業界に限らず世界を圧巻しているのは後者の状況であることは間違いありません。
 
世界を圧巻するアメリカ人ミュージシャンが多いのも頷けます。
 
彼らは一流の演奏をするのが使命なんです、それも毎日毎日。これがどれだけ大変なことかミュージシャンには分かると思います。
 
もしこれが『音楽家は音を奏でるものであって、お金の話はしてはいけない』となったら、あなたは毎日毎日一流の演奏を続ける事ができるでしょうか?

僕らから変わろう

一番最初にも言いましたが、お金が全て音楽の質に繋がるとは思いませんが、プラス要素だったり、マイナス要素である事は間違いないです。
 
変わらなくてはいけないのはお金を払う側、すなわち立場のある方です。
 
気持ちよく演奏させてください!
 
幾らでも良いんです。1番最初に伝えましょう。
 
僕は自分企画のライブでお金を理由に断られたこともあります。
 
しかしそれで良いんです。
 
僕らもお金を受け取る立場になるときもあれば、時には人を雇いお金を払う立場にもなります。
 
もし皆さんに後進がいるとすれば、自分が扱われたようにするのではなく、自分が扱われてみたいように扱ってください。
 
音楽家としての立場や誇りを持つために、お金の話をもっと風通りを良くし誰もが不安なく音楽に取り組めるようになればと思っています。
 
そんな話を日本を代表するドラマーみどりんとの対談で話しています! 
 
長いですがこれからのミュージシャンにとって大事な話をしていますのでお時間がある時に是非!
 
桐沢でした!
 

 
 
 
 

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